鼠径部・足の付け根に不意にできてしまう、ニキビやしこりなどの出来物。パンツのラインに当たって痛みを感じたり、どう対応すればよいか判断がつかず放置してしまったり、地味に煩わしい存在ですよね。
しかし、デリケートな部位だからこそなかなか人に相談できず、病院を受診するのも気が引ける…。このように、恥ずかしさからとりあえずそのまま放置してしまっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、鼠径部に出来物ができる原因や、繰り返してしまう場合に考えられることについて、錦糸町皮膚科内科クリニックの田尻友恵先生とともにおさらい。また、鼠径部への締め付けが気になる方におすすめしたい「ふんどしショーツ」についても、その特徴や選び方を解説します。
さらに、ふんどしショーツは鼠径部の出来物が気になる方にとってひとつの選択肢になり得るのか、田尻先生にズバリ聞いてみました!
同じ悩みを持つ方の参考に少しでもなれば幸いです。
この記事の監修医師

田尻友恵 先生
錦糸町皮膚科内科クリニック院長。東京医科歯科大学をはじめ、東京都内の総合病院やクリニックで、皮膚科、一般内科、アレルギー科、ペインクリニック科、美容皮膚科の診療に携わり、幅広い経験を積む。2022年に錦糸町皮膚科内科クリニックを開院。皮膚症状だけでなく、内科的な側面にも目を向けた診療を行っている。
ニキビ?粉瘤?しこり?デリケートゾーン・鼠径部にできる「出来物」とは
「出来物」とひとことで言っても、その種類や原因、状態はさまざまです。まずは、足の付け根やVラインにできやすい代表的な出来物について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ニキビ・粉瘤・おでき・脂肪腫の違い
ニキビ
毛穴に皮脂や角質が詰まり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こしたもの。赤みや白い膿をともなうこともありますが、比較的小さく範囲も限定的。
粉瘤(ふんりゅう)
“アテローム”とも呼ばれ、皮膚の下に袋状の構造ができて角質や皮脂が溜まったもの。丸く盛り上がり、中心に黒い点(開口部)が見えることが多く、自然に治ることは少ないのが特徴です。
おでき
毛穴や汗腺に細菌が感染し、化膿を起こした出来物の総称。「節(せつ)」とも呼ばれ、赤く腫れて痛みを伴うことが多いです。
脂肪腫
皮膚の下にある脂肪の細胞が増えてできる良性のできもの。触るとやわらかく、ゆっくり大きくなる傾向があり、痛みを伴わないことがほとんどです。皮膚の深い部分にできるため、下着の締め付けや摩擦、汗・蒸れなどの肌表面の刺激とは関係なく発生します。
このほかにも、毛穴の炎症による毛嚢炎(もうのうえん)や、鼠径部などに繰り返し炎症性のしこりができる化膿性汗腺炎、リンパ節の腫れ、鼠径ヘルニアなど、似たように見えるものがあり、見た目だけでは判断が難しいケースがあります。
また、同じ場所に何度もできる、赤く腫れて痛みがある、膿が出る、徐々に大きくなるなど、経過によっても判断が変わります。

田尻先生
なぜ足の付け根に出来物ができやすい?

常に下着や衣服と密着しているVラインや鼠径部は、汗をかきやすく、動作による摩擦も多いため、日常的に肌ストレスを受けやすい部位です。
汗をかいたまま長時間過ごしたり、動作による摩擦が重なると、肌への刺激となってしまうことも。
さらに、Vラインやその周辺にはアンダーヘアが生えているため、毛穴に炎症が起こる毛嚢炎などができることがあります。アンダーヘアを処理している場合は、カミソリなどによる刺激がきっかけになってしまうケースもあります。
このように、Vラインや鼠径部の肌トラブルには、肌環境や動いたときの摩擦、自己処理による刺激など、さまざまな要因が関係しています。

▼普段の生活で、思い当たることはありませんか?
- ✓ デスクワークなど、座っている時間が長い
- ✓ 動いた時に鼠径部の摩擦が気になる
- ✓ Vラインをカミソリや毛抜きなどで自己処理をしている
- ✓ 鼠径部に汗をかいた状態で放置してしまうことがある
- ✓ いつも鼠径部の同じ場所に繰り返しできてしまう
これらに当てはまった方は、毎日の習慣が肌ストレスになっていないか、一度見直してみてもよいかもしれません。
なかでも、毎日長い時間身につけているショーツは、鼠径部に触れ続けるもの。締め付けや摩擦、蒸れといった肌への刺激を左右するものです。

田尻先生
まず見直したい、ショーツ
毎日の習慣のなかでも、見直しやすいのが「ショーツ選び」です。鼠径部に触れている時間が長いぶん、締め付けや摩擦、蒸れなどの刺激を受けやすいため、日ごろから肌への刺激をできるだけ減らしておくことが大切です。
もちろん、鼠径部の出来物にはさまざまな原因があり、下着を変えたから治るものではありません。しかし、日ごろから肌にかかる刺激をできるだけ減らしておくことは、肌への負担を軽減させることにつながります。

普段着用しているショーツについて、次の3つのポイントを見直してみてください。
- 鼠径部を締め付けていないか
- 汗や湿気がこもりにくいか
- 同じ場所に摩擦が集中していないか
まず注目したいのがショーツの「脚ぐり」。脚ぐりのゴムによる締め付けや、動いたときの摩擦が気になる方は、「ふんどしショーツ」などの、ゴムを使わないタイプのショーツがおすすめです。
「ふんどしショーツ」は、その名の通り、ふんどしの構造を応用して作られた下着です。一般的なショーツのように足の付け根をゴムで締め付けるのではなく、布を体に沿わせる形で着用するため、鼠径部に圧や摩擦がかかりにくいのが特徴です。
鼠径部が快適すぎる!ふんどしショーツ

ふんどしショーツといっても、形や素材、仕様は商品によってさまざまです。選ぶときは、単に「ゴムがないか」だけでなく、毎日の着用を考えて、次のようなポイントにも注目してみましょう。
- ☑ 鼠径部を締め付けにくい、ゆったりとした脚ぐり
- ☑ 脚ぐりにゴムや折り返し、縫い目などが少ない
- ☑ ウエスト部分も締め付けが気になりにくい
- ☑ 汗や湿気がこもりにくい、肌にやさしい素材
- ☑ 体の動きに合わせて伸縮する、やわらかな生地
- ☑ ふんどし型でも普段使いしやすいデザイン
「ふんどし」という名前から、昔ながらの下着をイメージするかもしれませんが、現在は普段のショーツと変わらない感覚で取り入れやすいデザインも増えています。
鼠径部の締め付けやショーツのゴムが当たる感覚が気になる方は、こうした選択肢があることを知っておくと、下着選びの幅も広がるのではないでしょうか。
筆者が実際にふんどしショーツを履いてみて感じたことと、変化

実は筆者自身も、鼠径部の出来物にショーツのゴムが当たるのが不快で、さまざまな下着を試してきた経緯があります。大きいサイズのショーツを履いてみたり、ボクサータイプのショーツを試してみたり。そんな中で最終的に落ち着いたのが、“ふんどしショーツ”でした。
特に、hinnaのふんどしショーツは脚ぐりにゴムがないので、ストレスフリーな履き心地で本当に快適。ゆとりをもたせた脚ぐりで、通気性抜群だから鼠径部の蒸れはもちろん、デリケートゾーンの蒸れも気になりにくい点も気に入っています。
実際に、hinnaのふんどしショーツを着用してからは、ゴムによる締め付けがないことで、「ショーツが当たって気になる」という悩みが軽減しました*。丸1日デスクワークの日も、鼠径部への締め付けをほとんど気にせず過ごせるようになったことは、日常の小さなストレスがなくなり、大きな変化だと感じています。
*着用感には個人差があります
皮膚科医に質問!ふんどしショーツは、出来物に良い?

ここまで、ふんどしショーツの特徴や実際の着用感をご紹介しました。
とはいえ、「締め付けが少ないショーツに変えることで、鼠径部の出来物はできにくくなるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで、田尻先生に、ふんどしショーツと鼠径部の出来物についてズバリ聞いてみました。

田尻先生
一方で、肌への刺激をできるだけ減らすという意味で、下着を見直してみるのは良いことでしょう。また、出来物ができてしまったときも、患部にゴムや縫い目が当たりにくいショーツなら、普段より快適に過ごしやすいのではないでしょうか。
特に、ショーツのゴムが当たる部分への刺激が気になる方や、汗をかくと蒸れが気になる方は、ショーツの締め付け感や肌あたり、通気性などをチェックしてみてください。」
田尻先生のお話からもわかるように、ふんどしショーツは「出来物を防ぐための下着」というよりも、鼠径部への締め付けや摩擦など、日常的に気になる刺激を見直し、毎日を快適に過ごすためのものです。
しかし、すでに出来物ができている場合や、痛み・腫れを繰り返している場合は、すみやかに皮膚科などの医療機関に相談してください。
鼠径部にやさしい環境づくりは、下着から

鼠径部やVラインにできる出来物は、体質や毛穴の状態、炎症など、さまざまな要因が関係しています。そのため、ショーツを変えれば出来物ができなくなるとは言えません。
しかし、締め付けや摩擦、蒸れなど、毎日の生活の中で肌への刺激となっているものを見直してみることはできます。
まずは、今履いているショーツのゴムの跡や締め付け、蒸れなどが気にならないか確認してみてください。
この記事を書いたのは…

hinna編集部
